2011年1月14日金曜日

地価公示 東北6県、全地点で下落

 国土交通省が18日発表した地価公示(1月1日時点)によると、東北6県では調査地点のすべての地価が下落し、全用途平均(1平方メートル当たり)では前年比5?0%下落の5万5100円となり、18年連続で減少した。用途別では、住宅地が4?2%下落の3万9900円(12年連続)、商業地が7?1%下落の11万3800円(18年連続)などとなった。バブル崩壊後の地価下落傾向に加え、商業地の一部で2ケタの下落を記録するなど、リーマンショック以降の景気後退の影響も色濃く残る結果となった。

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 【宮城】

 下落率は、全用途平均で4?7%(平均価格8万8500円)、住宅地は3?5%(5万1500円)、商業地は8?3%(23万1400円)。全用途、商業地では2年連続、住宅地では19年連続での下落となる。仙台市の下落率は、全用途平均で4?4%(13万7300円)、住宅地は2?8%(6万7900円)、商業地が9?7%(39万1600円)。

 住宅地でもっとも地価が高かったのは、「仙台市青葉区錦町2?4?16」で22万7000円、商業地では「同区中央1?10?1」で255万円だった。下落率がもっとも大きかった住宅地は「石巻市新栄1?14?3」で、8?6%(1万9200円)、商業地では「仙台市青葉区本町2?16?10」の17?0%(137万円)。

 高橋幾夫不動産鑑定士は「住宅地では都市部平地の地価は底堅く推移している」と分析。商業地については「ビル供給の増大で空室率が高まっており、地価下落の一因となっている」と指摘した。

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 【青森】

 全用途の平均下落率は5?7%で14年連続の下落。対象は286地点。平均下落率は住宅地が5?2%(前年4?4%)で10年連続、商業地は7?0%(同6?7%)で18年連続それぞれ下落した。下落幅が拡大した要因について、後藤薫不動産鑑定士は「昨年、反映されていなかったリーマンショックが徐々にボディーブローのように効いている。この1年で世界不況の影響が如実に出てきたのではないか」と分析している。

 住宅地は3年ぶり、商業地は7年連続ですべての地点で下落した。住宅地では昨年、東北新幹線新青森駅舎工事の特需効果で唯一、横ばいだった青森市石江岡部164?10は1?0%の下落となった。

 住宅地価格は「青森市長島3?9?9」の長島小学校東側が8万1500円(下落率7?3%)でトップ。商業地価格のトップは「青森市新町2?2?3」新町通りのみちのく銀行青森支店で19万円(同7?3%)だった。

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 【岩手】

 全用途の平均変動率はマイナス5?8%で13年連続の下落となった。調査対象は199地点。住宅地の平均下落率は4?7%(前年3?8%)で9年連続、商業地は8?2%(同7?1%)で17年連続の下落。いずれも全地点で下落し、下げ幅は過去最大となった。

 清水幹夫不動産鑑定士は「住宅地は供給過剰感や所得低迷などで下落傾向にある。商業地は下落率が10%台に達した盛岡市中心部の落ち込みが目立つ。同地域では昨秋から価格安定の取引事例も目立つが、まだ下げ止まりとはいえない」と指摘している。

 住宅地で最高価格となったのは「盛岡市加賀野1?15?9」で9万4700円(下落率7?2%)。商業地トップは盛岡市大通2?3?5(ツルハドラッグ)」で38万円(同13?4%)だった。同所は商業地の下落率で県内最大となった。住宅地で最も下落したのは盛岡市緑が丘4?5?11」の6万3000円(同9?2%)だった。

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 【秋田】

 全用途は平均マイナス6?0%と、12年連続の下落で下落幅が拡大。住宅地も平均マイナス5?1%と10年連続で、商業地も平均マイナス8?4%と18年連続で、それぞれ下落した。

 下落の主因は「住宅地は経済低迷による住宅需要の減退、商業地は人口減少や郊外大型店出店による顧客流出など空洞化」(不動産鑑定士の平岡為義さん)。

 もっとも下落幅が大きかったのは、住宅地が「湯沢市佐竹町7?30」でマイナス9?5%(前年マイナス7?0)、商業地が「北秋田市松葉町9?7」でマイナス12?1%(同10?8%)。価格が最も高かったのは、住宅地が「秋田市保戸野中町2?10」で7万6千円(同8万2千円)、商業地が「秋田市中通2?8?1」(イトーヨーカドー)の24万円(同26万2千円)。

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 【山形】

 全用途の平均下落率は5?2%で、12年連続の下落。下落幅も前年の4?6%から拡大した。

 対象は216地点。住宅地の下落率は4?8%(前年4?2%)で、下落は9年連続。「わずかな下落」は三川町(1?9%)と高畠町(2?4%)の2町だけだった。

 商業地の下落率は5?9%(前年5?2%)で、17年連続の下落。前年に続き、調査地点となった26市町すべてで下落した。

 県土木部管理課は「人口減少や高齢化で土地需要は弱含みになっており、縮小していた下落幅が再び拡大した」としている。

 価格上位をみると、住宅地は「山形市東原町2?7?25」が7万4400円(下落率7?5%)、商業地は「山形市香澄町3?1?7」が24万9000円(同8?5%)で、ともにトップ。下落率も両地点が最大だった。

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 【福島】

 全用途の平均下落率は4%で、18年連続の下落。昨年に引き続き、上昇地点や横ばい地点はなかった。下落幅も0?7ポイント拡大した。県土地?水調整課では「郡山市以外の市部の住宅地は供給過剰、町村部は過疎化の影響で、下落幅が拡大した。商業地では空洞化が続き、価格の下支えとなってきたマンション用地の需要も減少。特に会津若松市は中心市街地の大型店2店の撤退などで、大幅な下落となった」とみている。

 住宅地の最高価格は「郡山市池ノ台9?12」の7万2600円(下落率0?5%)。次いで、「福島市野田町2?2?3」の7万1900円(同3?1%)。商業地は「郡山市駅前1?6?6」の36万4千円(同6?2%)がトップ。最大の下落幅は、住宅地が「会津若松市表町1?68」の6?8%、商業地が「会津若松市中町4?37」の8?5%だった。

引用元:売買 不動産 | 大分市

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